2019/08/26

『窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子)を読んで【小学生用】

 トットちゃんて不思議な子だな。ちょっとふつうの子とちがうけど、なんか周りの人に笑顔と明るさをふりまいているみたい。トットちゃんに会ったことのない私だって、この本を読んでいるだけで、元気がでてくる。
 トットちゃんは最初にトモエ学園に来た時に、校長先生と四時間も話していた。一年生の子が四時間も話すなんてすごい。六年生の私だって、四時間も(しかも校長先生と)話せるかどうか、自信はない。校長先生もまたすごい。その間あくび一つせずにトットちゃんの話を身をのりだして聞いていたのだから。 私だったらあくびをしていただろうな。ふつうの学校だったら、一人の生徒のために、こんなにはなかなかしてくれないだろう。だけど、トモエ学園は、ちがう。トモエ学園の校長先生は、本当に一人一人の気持ちをちゃんと考えてくれている。
 トモエ学園がふつうの学校とちがうのは、校長先生だけじゃない。まずは、授業の仕方。何からでも始めていいのだ。その日の気分によって好きな教科から始められる。ほかにもある。毎日、好きなところにすわれること。これなら、いつもいっしょの人でつまらないってこともない。
 もう一つ、いいなと思ったのは、お弁当の時間だ。ふつう、お弁当の時間は二十五分くらいだろうけど、トモエ学園はちがう。ゆっくり、ゆっくり楽しみながら食べるのだ。
 こんなすてきなトモエ学園のトットちゃんが、前の学校では問題児と思われていたなんて、私は意外だった。なぜ、トットちゃんは問題児と思われていたのか。それは、みんなと同じことをしていない子は問題児って思われていたから。トットちゃんのいいところをおさえつけて悪いところばっかり見て「お前は、悪い子だ、悪い子だ。」って言われていたから。私だって、そんなふうに言われたら、(私って本当に悪い子なのかな。)って思うだろう。もしかしたら、学校に行くのがいやになってしまうかもしれない。でも、トモエ学園でトットちゃんは、いいところをいっぱい見つけてもらってのびのびと過ごせた。「みんなと同じことしなきゃ悪い子」ってこともなかった。トットちゃんは、校長先生に「君は、本当はいい子なんだよ。」といつも言われて自信をつけたんだろう。トットちゃんじゃなくても毎日そんなふうに言われたらきっと自信がついて学校が楽しくなるだろう。友達に対してもやさしい気持ちになれるだろう。だから、トットちゃんも人のいいところを見て、それをみとめることができたんだと思う。
 悪いところを見つけるのは簡単だ。だけど、いいところを見つけるのは難しそうだ。でも、私もこんなふうに友達のいいところを見つけて、だれに対してもやさしく接することができたらいいな。そうしたら、私も毎日がもっともっと楽しくなりそうだ。トモエ学園のトットちゃんに負けないくらい。

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