野口英世は、小さいころ、いろりに落ちて左手に大やけどをし、にぎられたままの開かない不自由な手になった。そのため、学校では、「てんぼう」と呼ばれ、いじめられていた。しかし、そのことを知ったお母さんの、
「つらいだろうね。でも、そう思ったら勉強で見返してやる、としんぼうして学校を続けておくれ。」
という言葉で、英世は立ち直ることができ、勉強はいつも良い成績であった。
その後、英世が師とあおぐ小林先生と出会い、この先の人生が大きく変わることになったのである。もし、小林先生と出会わなかったら、英世の手を手術してくれた渡部先生にも出会わなかっただろうし、英世の手も治ることはなかったのではないかと思う。そのことから私は、人とは家族や恩人、尊敬する人の言葉や愛情で人生を変えることができるのだということを学ぶことができた。
英世は、渡部先生に手術をしてもらったことで左手が治り、それがきっかけで、自分も医者を目指すようになった。その後、渡部先生の下で医学について勉強し、難しい国家試験にも合格して、医者になることができた。医者という職業に就くことができたのは、英世が自分のつらかった過去や開かなかった手が治った時の喜びを経験していたからこそ、自分も病気やけがで苦しむ人を助けたいという思いが強く、努力し続けることができたのだろうと思う。
少しの努力では実現することは不可能だし、苦しんでいる人々を助けたいと思う気持ちが本当に強くなければなることができない職業だと思う。
英世は、後に細菌の研究をした。蛇の毒や梅毒の菌などの研究をしたのだった。特に、梅毒の研究では、梅毒の原因である菌をある病気の患者の脳から発見することができた。そのことで、英世の名は世界中に知れ渡るようになった。
そして、その後、アフリカで新しい黄熱病が流行したことを知った英世は、その原因を探るためにアフリカへ行くことにした。しかし、研究を続けるうちに、英世は二度もその黄熱病にかかってしまい、ついには五十一歳の若さでこの世を去ることになってしまった。
私がこの野口英世の本を読んで学んだことは、努力することの大切さと、良いことも悪いことも、実はすべて人生の力となることだ。それに、人は、自分の命をかけてでも、人のために尽くすことができるということに感動した。私にも夢がある。とりあえずは、その夢に向かって努力していこうと思う。そして将来、今の自分より心が成長して、人のために役に立つ人間になりたいと思っている。